デパートの主役が婦人服からデパ地下の食品に変わった理由。

デパートの主役が婦人服からデパ地下の食品に変わった理由。

一昔前までは流行りのちょっと良い服を購入するなら迷わずデパートの婦人服売り場へ行ったものでしたが、最近ではUNIQLOを代表とする専門店に市場を大きく奪われがちです。

デパートといえば婦人服売り場!そういわれていた時代が懐かしい・・。

猫の困った顔猫さん
今となっては一昔前の話になってしまいましたね。
みゆきん
そんな一昔まえからデパートの宝飾サロンに20年間勤めるみゆきんです。
思い起こせば、私が勤めているデパート業界の20年前といえばバブル崩壊から15年ほど経って、やっと景気も戻りつつあった頃だったので、お店の花形部署もギリギリ「婦人服売り場」と「外商部」という時代でした。
それからはご存じの通り8年後の「リーマンショック」により日本経済もアメリカの煽りを受けて下降を辿ります。
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デパートの主役が婦人服からデパ地下の食品に変わった理由。

婦人服売り場からデパ地下へ

まずはその理由の1番の原因ではないかと思われる、図をご覧ください。

平均年収の変化

資料:国税庁「民間給与実態統計調査」(1997年~2018年をもとに作成)参考資料として引用

1980年代のバブル期以降の年収のピークは1997年の467万円20年前の2000年には460万円となっています。ピーク時の1997年からは現在では(2018年)、平均年収は途中若干もどっているものの大きく下がっています。

ビックリ顔なお子さん
そうなんです、20万円以上も年収が低くなっているんです。
そういえば、平均年収が下がり始めた2000年ころからは、それまでは5月上旬の風物詩だった「企業ストライキ」や「メーデーの活動」を見ることも無くなってしまいました。
もともとは夏の訪れを祝うお祭り。国際的には「労働者の日」です。
日本でも5月1日にはメーデーの活動で集会を開き、企業に対して賃金引上げや待遇改善などの要望を懇願した日です。
電車やバスなどの公共機関でさえもストライキを決行し賃金アップを要求しました。
逆に物価は大幅に上がっていることを考えると、収入の減少のダメージは相当大きいのです。最近では食品などは値段はかわらないものの内容量が明らかに少なくなったり小さくなっているものも多くありますよね。
バブル期以降に生まれた世代は贅沢な生活が当たり前だった、バブル時代を知らないのでこういった変化に敏感に気づきます。よって主婦層からは、急に量が少なくなった食料品などはすぐに敬遠されがちなのです。

ウインドーショッピングというワードが流行る

いつからこのワードを憶えたのか忘れてしまいましたが、私が子供の頃からあったワードだったはずなので、いま思えば収入の減少で贅沢品を購入することが控えられていたからできたから流行ったのかなあと感じます。

実際には女性の中には、お金を持っている人でも単純に洋服やバッグをウインドー越しに眺めるだけを楽しむ人は多く存在するので、一概には言えないのですが・・。

贅沢品が控えられても食は別もの・・

チキン料理の画像

例えが悪いかもしれないですが・・昔から「女性は男性の胃袋を掴むと上手くいく」といわれますが、それだけ人間の生活には【】は欠かせないものです。

しかもデパートというと売っているものはみんな高級品と思われがちですが、日常品や食料品に至ってはかなりのリーズナブルなものから販売されているのです。

もちろん超が付くほどの高級食材も陳列されてはいますが、それはお金持ち用としてです。大部分はデパート用語で一般のお客様のことを指すボリューム層向けに安価な食材も充実しています。

洋服は毎週買うことは珍しいですが、食材は毎週買ってもらえるものなので、お客様をより多く店舗に来店させるためには食料品をデパートで買ってもらうしかないのです。

そのため、全国のデパートではデパ地下の食料品売り場に相当な力を注いでいます。食品で儲けようというのではなくお客様をより多く来店させるためのアキレス腱なのです。

裏を返せば婦人服の売り上げが相当減少していると言えます。

デパートから販売員は要らなくなる?

そう遠くない未来にはデパートで働く販売員の半数以上は、いなくなるかもしれません。それどころか業界2位のJフロント(大丸・松坂屋)では、近い将来にさらにテナント化を促進する動きもありますのでデパートの社員自体も削減させることでしょう。

特にここ何十年もの間、給料がほとんど上がっていない小売業では、給料を上げることを望みすぎると逆にIT化に拍車をかけてしまう結果になってしますかも知れないというジレンマもあるのです。

どういうことかというと、経営者側からすると人件費が低くて働いてもらっているうちは良いのですが、その人経費をあげなくてはいいけないくらいなら、IT化や機械化に投資して人件費を削減したくなるはずだからです。

仕事の内容によっては、機械(AI)は残業代も必要ないですし昇給も必要ありませんので将来的に見ても相当なコストカットにつながります。

これからもデパートの婦人服売り場が衰退していく理由

物価は上がり続け、税金も上がり続ける中で肝心の収入は逆に減っています、こんな状態ではいくら女性がオシャレをしたくてもマネーバランスが釣り合いません。

デパートの婦人服売り場が衰退した行く理由は、国民全体の年収が減りいいものを選択する情報が増えたことにあります。

その結果婦人服メーカーのマーケティング力が落ちています。

一方のデパ地下の好調の原因は、店自体が集客の為に全力で取り組んでいるところにあると考えられます。

しかも年々安くて良い素材の洋服がさまざまな企業から企業努力で流通しています。情報が少なく、よくわからないけれどいい服を買うならデパートに行こうと思われていた時代は終わりを迎えているのです。

一部のお金持ち以外には、日常的に買い続けることのできない値段のプレタポルテやハイブランドの洋服は別として、これからは更に専門店のイオンなどのショッピングモールでも買えるような素材の洋服が、2倍くらいの値段で並んでいるものを買う人は少なくなるでしょう。

簡単に言うと、デパートのイメージ戦略のメッキがはがれてきたのです。

デパートの主役が婦人服からデパ地下の食品に変わった理由。のまとめ

最後に,追伸

いかがだったでしょうか、デパートで20年間働いてきた私の経験とデータから、デパートの主役が婦人服からデパ地下の食品に変わった理由をまとめてみました。

1番の理由は単純に、国民全体の収入が減り半ば贅沢品である洋服にお金が回らなくなってきているということと、デパートの婦人服のマーケティング力が弱くなってきていることが挙げられます。

また社会全体が緊縮傾向にあり、イメージで明るい色の洋服の売れ行きも悪くなってきている感じもしています。

一方でデパ地下といわれる食料品やお菓子売り場は絶好調。デパートは婦人服などの売り上げの減少を少しでも食い止めようとお客様の胃袋を掴みにかかっています。

毎週のようにデパートに通わせる習慣をお客様に着けてもらううえで、生活に密接したデパ地下の商材は大変有効な戦略なのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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