・アパレル店員の10年後がわかります。
・アパレル店員にならない方が良い理由がわかります。
アパレル店員への憧れは危険。服好きなだけで志望するのはNG。
男女問わず思春期を迎えるころからは急激に洋服や外見に気を遣うようになります。ファションに関心を持ち出すとともに、職業へのあこがれも生まれてくることでしょう。
とくに昔は、女性のは将来なりたい職業のなかに『アパレル店員』が入るほどの人気でした。
当時はアパレルで働く女性のことを『ハウスマヌカン』といい、テレビや雑誌などでは連日特集が組まれるほどだったのです。
ややさんが歌う1986年のヒットソング『夜霧のハウスマヌカン』もその時代をあらわすいい曲でした。
アパレル店員に憧れるのには理由がある
若いときにアパレル店員に憧れてしまうのには理由があります。それは必ずと言っていいほど、人は洋服を買いにお店に行きますし、洋服(ファション)に興味を持つからです。
必ずしもすべての人がそうとは限りませんが、10代後半からの男女の関心ごとの中にはファションは切っても切れないものです。
関心があるものにかかわっている職業は必然的に憧れを発生させてしまいます。簡単に言うと、単純に中身はよくわからなくてもよく見えてしまうものなのです。
例えば、カフェの店員のバイトを探す場合、数あるカフェの中でも圧倒的にスターバックスコーヒーの人気が高いのがそれです。
決してスタバのバイト代が他のカフェのバイト代の2倍高いわけではありません。スタバで働いている自分に酔いたいだけなのです。
アパレル店員の実情・・。
アパレル店員の実情は非常に過酷で、若者が思い描くような華やかな世界とは程遠い世界であることが現実です。
立ち仕事で足はむくみますし、お客様もいい人ばかりいらっしゃるわけではないのです。ショップによっては過酷なノルマも・・。
お店で仕事をする時には、そのショップのブランドの服を自費で購入してショップに立たなければならないことや、顧客に対して毎日のように電話やメールで勧誘を促されます。
デパートの休憩所では、若手アパレル販売員はだいたい先輩から説教を受けて泣いている子を見ることも珍しくありません。
アパレル店員で10年後まで働ける?
結論から言うと、アパレル販売員の仕事を10年続けることは現実的に可能ですし、販売員としてのキャリアも気づけるでしょうが、一生の仕事としては首をかしげたくなるのが本音です。
デパート業界のアパレル店員は平均年齢がとても高く、60歳前後の人が数多く働いてらっしゃいますが、多くの人は他にできる仕事が無かったからここまで続けてしまった・・。
というのが、本音みたいなんです。
私が20年以上、外側から見たデパートのアパレル販売員の印象は・・。
・プライドだけで仕事している
・売り上げだけにしかやりがいを見出せない
・アパレルは経営者側にならないと収入は限りなく低い
・アパレルの社員登用はこの先むずかしい。
・アパレルの社員を目指すのは割に合わない
アパレル業界には入らない方が良い理由
デパートのアパレルショップで解ることは、売り上げがきびしく、来店客数が伸びないので営業時間の短縮や人員の削減、夕方6時過ぎたらショップには販売員はワンオペ(1人体制)。
例年の新作のデザインを出していた時期には、明らかにそうでない服を『新作』として出しているのが現状のようですね。
これからのファションは更に2極化していき、スーパーブランドとユニクロのような大手しか生き残っていけないのかもしれません。
もちろんその他の星の数ほどのアパレル会社も存続していきますが、働く人の観点から言うと労働条件は先に挙げた大手に比べると引き続き雲泥の差でしょう。
どんなにノルマで苦しめられようと、好きな洋服を販売できる仕事がしたいという人以外には、興味本位では手を出さない方がいい仕事なのかもしれません。
私の勤める宝飾業界に相通ずるものがあるようで心配でなりません。
アパレル店員への憧れは危険。服好きなだけで志望するのはNG。のまとめ
いかがだったでしょうか・・。
今回の記事では私が20年以上デパートに勤めている中で、アパレルの販売員から日頃聞いている愚痴や現状を同じアパレルに勤めるあなたや、こらからアパレルをやってみようというあなたに向けてシェアした記事です。
ジュエリー業界と同様に、業績下降の一途をたどっているデパート業界。そのなかの主要部門のアパレルもさらに厳しい状況が続いていますね。
この先、会社自体は細々でも続いていくのかもしれませんが、現場で働く販売員の労働状況はさらに悪くなることは簡単に予想できます。
逆境に立ち向かうことも大切なことですが、本当に今の状況でそれが可能なことなのかを再度しっかりと見極めることが大事なことだと思います。