20年間はたらいているみゆきんと申します。
2019年10月から施行された天下の悪税である消費税増税、翌年追い打ちをかけるように世界中を現在も震撼させ続けている「新型コロナウイルス」など、本当に大変で苦しい経験を強いられた1年でした。
私は今、年が明けて4日がたった20021年の1月4日にこの記事を書いています。
テレビのニュースでは初詣の参拝の人数が大幅に減少していたというニュースや、菅総理大臣が1都3県に対して緊急事態宣言発令を検討していることをメディアに対して発信しました。
私も先日、今年で21回目を迎えた勤めているデパートの初売りを終えたばかり・・。
2021年の初売りは驚くべき結果となりましたが、その感想と今後の宝飾業界やデパートがどうなっていくのかを解説した行きたいと思います。
現在宝飾業界にお勤めで、将来的に不安を抱いているあなたや、職を失い再就職先に宝飾業界をお考えの方は必見です。
宝飾業界 今後どうなっていくの?【20年間勤めてみた課長の感想と展望】
デパート業界のみならず、日本中の小売業が窮地に陥っている訳ですが、そこはある意味仕方のないことで、当然の結果だといえます。
なぜならば、日本のデパートの強みといえば専門的な商品説明や丁寧な接客をともなう対面販売ですが、コロナウイルス感染の危険があるために、それらが充分に発揮できないからです。
コロナ騒動さえ収まってくれれば解決に向かうのでしょうが、そのめどは正直まだ立ちません・・。
デパートのみならず、宝飾業界の各企業の幹部たちは、先の見えないこの状況に立ち向かっていく者、静寂を続ける者にわかれ右往左往していくものと思われます。
デパートの社長はしょせん雇われ社長・・
まず宝飾業界を語る上で大事なのは、家主であるデパートの存在です。実際にショップを運営していくのはその企業やその企業の社員(店長)となりますが、優良顧客を店自体に招き入れるにはデパートの看板が必要不可欠だからです。
ですからショップを繁盛させるには、デパートの方針を決めるデパート本体の社長の役割はとても重要なのですが、近ごろはあまり当てになりません・・。
地方デパートなどの場合だと社長自身が同族経営だったりすることもあり、生涯をかけて経営に携わるので、将来の展望も見据えた方針を打ち出すことができますが、雇われ社長ではそうはいきません。
任期中に結果を出さないと、その先の保証の条件が悪くなってしまうからです。

猫太郎さんの言う通り、最近のデパートは伊勢丹と三越が統合している「株式会社三越伊勢丹」のようにグループ化が進んでいてその社長ともなると、その後のポストもある程度約束されているといわれています。
社長時代の実績によっては行き先が変わってくるともいわれているのです。もちろん社長を退く時に年齢なども加味されるでしょうが、在籍期間中の業績の良し悪しは重要です。
・経費削減(リストラなど)で利益を出そうと頑張る。
・有名ショップ(ブランド)の招致に力を入れる。
・有名ショップが店から出ていくのを防ごうと必死。
・どこのデパートも似たようなスタイルになっていく。
デパート内の一般宝石とブランドショップの戦いの歴史・・
ティファニーやブルガリなどの有名ブランドの宝飾品と私が手掛ける一般宝飾といわれるノンブランド(まったく有名でない訳ではない)の戦いは今から15年前くらいから激化してきていたのです。
それまでは、互いに客層が区別できていたのですが、2008年のリーマンショックをさかいに状況が一変したのです。
簡単に言うと、不景気になり100万円を超えるような商品が売れなくなってしまった為、ブランド企業側がリーズナブルな値段帯の商品を販売し始めて、それまでは区別されていた一般宝飾の客層に足を踏み入れてきたのです。
それまでのデパートでは、ブランドショップは店に入って貰っているだけでそのデパートの宣伝になってくれるしお客様が勝手に訪れてくれて商品を購入してくれる、客寄せパンダ的な存在でした。
ブランドショップの販売員さんたちは、基本的に店の中で優良顧客を待ち構え、優雅に商談をしていたのですが、時代も変わり客足もだいぶ遠のいてしまい、今では積極的に外商さんと外販に出ているのが現状です。
そして両者の戦いは熾烈を極めていきます。
ブランド側
・ネームバリューを強調
・自社製品への陶酔したトーク炸裂
・さらに値引きができることを強調して客を取り込んできた。
・良い品質の商品さえ品揃えできていれば売れると思っている。
外商さんってどんな人?デパートの現代版の三河屋さんデパートには外商部というデパートのお得意様カードをもってもらい商売をする、お得意様担当の仕事が存在します。お得意様の資格としては各デパートの基準によるところが大きいのですが、基本ご本人と[…]
ロッレクスはなぜこんなにも人気なのか?
私の勤めているデパートの売り上げ上位トップ3のショップは・・〇〇〇ラーといわれるご婦人方が集まるショップに今や中学生でもそのブランドのバックを持つ時代の〇〇トン、そして時計売り場です。
ちなみにロレックスの時計は、時計の世界大会か何かで優勝でもしたから人気があるのでしょうか?
ロレックスの種類でいまだに人気の高い「デイトナ」にいたっては、たしか相当昔に俳優の木村拓哉さんが使っていたから人気が出た印象が今でも強いです。
実際のところ、当時のロレックスは外商客に対しては当たり前のように値引き販売されて、今のような高級感は感じられませんでした。
元々が労働者の為に丈夫な時計を作るといったコンセプトで販売されていた時計なので、ざっくり言いすぎると、Gショック時計の高級版的なイメージでしかありませんでした。
質屋さんの存在が本当の価値を表してくれています
そんなロッレクスを資産価値として次々に購入する高額所得者たちがいます。彼らは時計のことにはあまり興味が無くてもロッレクスには価値があることを知っているのです。
それは何故でしょうか?その答えは質屋さんが教えてくれます・・。
例えば昔もらった婚約指輪のダイヤの指輪を質屋さんに持っていっても、ダイヤのカラットが1カラット以下だと二束三文で、引き取られてしまうといった噂がありましたよね。
宝石類は購入した値段の10分の1ほどが査定額になるというのが定説化されているかと思います。
その頃の質屋さんといえば、怪しげで生活に困った人が入っていくお店というイメージでしたよね。
いまでは不要になったブランド品を質屋さんに持っていき、査定してもらうことはとてもポピラーな世の中になりました。
そして中でもブランド時計はその質屋で高く査定が付くものの代表格になったのです。なかでもロレックスは高額査定が付き、定価を上回る査定が付くことも珍しくありません。
購入したら中古になって、市場価値がなくなってしまうと考えられていた物に、新しい風を吹き込んだのが質屋であり、ネットオークションなのです。
ですから現在に至っては、ネットオークションや質屋さんでの評価が付く商品が価値があるものであり、素材がいくら優れていてコストを掛けて作った宝石が価値があるという考え方は当てはまらないと考えます。
一般宝石が生き残る手段があるとするならば、消費者ではなく有名ブランドに商品を売り込むか、ネット販売で生きていくしか道はないのかもしれません。
いい加減、値引き前提の商品の価値のなさに消費者は気づき始めているのです。
テレビショッピングでの宝石販売の闇・・。
まとめて生産者から購入しましたと説明する某通販サイトの社長がいますが‥
たしかにまとめて買う条件だと安く仕入れられます。しかし宝石の場合は野菜などとは違い一つの生産者が所有する数は大した数ではなく、品質もバラバラ、そんなところから大半を仕入れたとしたらどうなるでしょうか?
売れないレベルのものまで買う羽目になります。その場合はそのまま売れないレベルのものまで売ってたしまうか、売れる物に売れないレベルのの値段の補填をさせるでしょう。
安くなるどころか、高くなってしまいます。ですが通販の大半は、売れないレベルのものまでそのまま売ってしまっている傾向が高いように思います。
結果、品質にバラつきが出てしまい、通販の宝石は安かろう悪かろうとなってしまうのです。
宝飾業界 今後どうなっていくの?【20年間勤めてみた課長の感想と展望】のまとめ
この記事では、2019年10月から施行された消費税増税や、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、それまでそれほど変化をしてこなかったデパート業界や私のいる宝飾業界が大変なことになっているという内容でした。
まとめとしては、デパート業界はそろそろ大変革が起きる予感がプンプンしますし、それはリストラという形で起こりうることでしょう。
その中にいる私の所属する一般宝石はデパートによる選別ではじき出され、スーパーブランドとの争いに終止符を打たれるようになることでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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