ジュエリーお手入れ方法の基礎知識と取り扱いをプロから学ぼう

ダイヤモンド、エメラルド、パール、ゴールド、プラチナ・・。

高価なジュエリーの美しさや輝きをいつまでも保つには、日頃のお手入れや気遣いがとても大切です。

この記事では、ジュエリーに使用される貴金属と宝石について、その基礎知識と取り扱いポイントをご紹介します。

正しいケアを続けることで、ジュエリーの美しさを損なわず、長く愛用することができます。

みゆきん
20年の間、デパートのジュエリーサロンで働いてきた現役のトップ販売員の私がご紹介させていただきます。
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ジュエリーお手入れ方法の基礎知識と取り扱いをプロから学ぼう

ジュエリーのお手入れの本質

初対面の人とさぐりさぐり話をするよりは、相手のことを事前に知っていた方が話は断然盛り上がりますよね。

せっかく買ったジュエリーを何にも知らずに恐る恐る日ごろ使っていては、気分も晴れませんしもったいないですよ。

なぜこういうことを言うのかというと、ほとんどの女性はジュエリーを購入する時には気分が高揚していて、必ず販売員から説明があるはずのジュエリーのお手入れ方法を聞き逃しているから。

今回の記事では、そんな世の中の多くの女性の為に、ちょっと専門的なことも交えながら詳しく説明していきたいと思います。

貴金属の種類と特徴

貴金属(ゴールド)

貴金属とは、

✔ゴールド   ✔シルバー
✔プラチナ   ✔ルテニウム
✔ロジウム   ✔パラジウム
✔オスミウム ✔イリジウム
ジュエリーに使用されるのは、ゴールド、シルバー、プラチナです。
これらは、化学的に安定しておりさびにくく、空気中や水中で変化しない腐食しない金属です。
見た目も美しい色で、資源としても希少で高価です。特にゴールドは(2021年1月26日現在で)1gあたり店頭小売価格、6862円。店頭買取価格、6753円(前日比-14円)となっています。
物理的には粉砕、破砕(はさい*くだくこと)しにくく、たたけば伸び広がる性質、引っ張れば針金になる性質があり他の金属と混ぜて簡単に合金にすることができるのです。
なぜそうするかというと、純粋な100%のゴールド、シルバー、プラチナは非常に軟らかく、ジュエリーに加工した場合に型崩れしやすく、キズが付きやすいので、装飾品として着用するには実は不向きなのです。
そこで他の金属と混ぜて合金にすることで、その欠点をカバーし、美しさを損なうことなくジュエリーに適した性質を引き出せるわけです。

貴金属の取り扱い注意点

貴金属の取り扱い上の注意点

✔入浴時には貴金属をはずしましょう

温泉や入浴剤に含まれる成分によって貴金属は変色することがあります。純粋なゴールやプラチナならば反応しなくても、合金には使用されている金属や、接合に使う「ろう材」が反応し、変色する可能性があるのです。
✔銀製品は硫黄で変色します
シルバーは、硫黄に対して敏感に反応して硫化銀となって変色してしまいますので、ホンモノの温泉は厳禁です。
何と!輪ゴム、温かい卵の黄身でもシルバーは反応してしまい変色します。昔に比べたらメッキ技術が向上して黒く変色しにくくはなりましたが注意が必要です。

貴金属の表示

✔品位(1000分率)

貴金属の純度を「品位」といいます。品位をあらわす単位には、1000分率(0/00)が使われていて、合金の場合は成分の質量比率が多い元素を表示します。

みゆきん

簡単に言うと、量が多い方の名前にするってこと!

日本では任意制度として、政府がその製品の品位を証明する造幣局の品位証明(検定)があります。
♦ゴールド:Au
♦シルバー:Ag
♦プラチナPt

■ゴールド
(ゴールド750 0/00=K18)

(日本国国旗)<750>

■シルバー
(シルバー925 0/00=スターリングシルバー)

(日本国国旗)<925>

■プラチナ
(プラチナ900 0/00)

(日本国国旗)<900>Pt

*(日本国国旗)は実際に国旗が金属に刻印されています。

こんな時は貴金属をはずしましょう

✔肌に異常を感じたら・・・体質によって、かゆみ、かぶれ、を生じる場合があります。使用を中止し専門医にご相談を。アレルギーの方も多いです。

✔乳幼児と接する際は・・・けがをさせないようにはずしてから触るようにしてください。

✔サウナやスキー場などで・・・高温、極寒の状況下では、火傷や凍傷を起こす可能性もあります。

知っておきたいゴールドの(金)の基礎知識

ゴールド (金)

金はカラット表示

ゴールド特有の表示方法として、「カラット(K)」という24分率で品位をあらわす習慣が残っています。もちろん他の金属と同じように、1000分率で記載されていることもあります。

■K24:999 0/00(純金)

■K18:750 0/00

■K14:585 0/00

カラーゴールド(合金)の種類

銀やプラチナは、合金にしてほとんど外観は変わりませんが、ゴールドの場合、合金する金属の割合によって、色味に違いがでてきます。

この性質を生かして、多種多様な色調の「カラーゴールド」を作ることができます。

【例】ホワイトゴールド
/金750 0/00+パラジウム250 0/00

イエローゴールド
/金750 0/00+銀125 0/00+銅125 0/00

ピンクゴールド
 /金750 0/00+銀50 0/00+銅200 0/00

金メッキ
素材を金の溶液に入れて、電気の作用で化学的に薄い金の被膜を付着させたものが金メッキです。日本語では「メッキがはがれる」などあまりいい意味では使わないですよね。

宝石と類似石

ルビー、ダイヤモンド

ジュエリーに用いられる宝石は、ダイヤモンドに代表されるように、自然に産出した鉱物からつくられるもの(無機質)と真珠、サンゴ、琥珀のように有機質のものがあります。

天然石は、希少で価格も高いため、天然石に似せて作られた類似石(合成石、人造石、模造石)も多くあります。

多くの類似石は、肉眼では天然石と見分けがほとんど付きませんが、詳しく調べてみると比重や屈折率がはっきりと違います。

赤外線の反射率、熱の伝わり方、水に対する濡れ方なども違うので、専門の器具を用いて識別します。(ブラックライトなど)

高価な宝石を選ぶ場合は、その品質を保証する「鑑定書」や「鑑別書」を確かめた上で信頼できるお店で購入することが大切です。

みゆきん

最近の類似石はハッキリ言って、肉眼で見ただけではプロでも見分けがつかないレベルです。

ダイヤモンドの品質評価

ジュエリーに使用するためにカットされたダイヤモンドの品質を評価する方法として現在、多くの人に知られているのが、「4C」による評価方法です。(グレーティング)

Carat(カラット)

■重量 1カラット=0.2ℊ

Color(カラー)

■色 無色~黄色

Clarity(クラリティ)

■透明度 内包物やキズ

Cut(カット)

■研磨の質

宝石の取り扱い上の注意

パールジュエリー

■宝石は割れたり欠けたりすることがあります。

宝石の材料は、金属材料と比べると衝撃や打撃に弱い材料だといえます。最も固いダイヤモンドでも、ある方向から力が加わると割れてしまう性質が確認されています。

念のため、硬いものにはぶつけないように丁寧に扱いましょう。

■パールは特にデリケート

パールは、汗や皮脂、化粧品などに含まれる酸によって変質しやすいので、着用後はできるだけ軟らかい布でパールの表面を拭くことを心がけましょう。

保管時は、紫外線に長期間当たらないようにして極端な乾燥や湿潤状態を避けた方がよさそうです。(特にアコヤパール)

ジュエリーのお手入れ方法

ジュエリーはデリケート。その輝きを保つためには、正しいお手入れと保管が大切です。

✔使用後のケア

柔らかい布やセーム革(マイクロファイバーでもOK)でからぶきをして、汗、皮脂、化粧品、ホコリを取り除きましょう。

✔器具を使ったケア

市販のジュエリー洗浄機や超音波洗浄液は、便利で簡単に汚れなどが落とせますが、宝石の種類によっては変質や割れなどの原因になりますので注意が必要です。

デパートで購入したものでなくても、ジュエリーサロンでは手入れしてくれる場合があるので、相談してみるのも良いでしょう。

(*注意)ヒスイ、オパール、エメラルドは超音波洗浄液は使用しないでください。

✔保管方法

●1つ1つ布で包むか、ジュエリーケースなどで小分けにして保管しましょう。

●携帯する際にも、ケースやジュエリー同士や他のものと接触しないように気をつけましょう。

(*注意:何度も言いますが、石だから割れにくいわけではありませんので注意しましょう)

大切なジュエリーを長く使って行く為に更に詳しく・・

✔ダイヤモンド

一番固い宝石で、めったにキズはつきませんが、当たる方向によっては割れやすい性質がありますので、瞬間的な衝撃には注意が必要です。

他に、ムーンストーン、クンツァイト、トパーズゾイサイトなども同じような性質があります。

✔エメラルド

比較的硬度の高い宝石ではありますが、不規則に欠けやすい性質がありますのでダイヤモンドと同じですが瞬間的な衝撃にはお気をつけ下さい。

ムーンストーン、アマゾナイトも同じように欠けやすい性質があります。

✔オパール

水分を含んだ珪酸で構成された宝石ですので、乾燥しすぎるとひび割れを起こす可能性があります。長期保管の場合は乾燥しすぎないように高温な場所は避けましょう。

✔パール(真珠)

長期間水にぬれると表面の光沢がなくなってしまうことがあります。酸化カルシウム主成分ですのでジュースやなどの酸に弱く、硬いものに当てたり、引っかけたりするとキズがつきます。

ラピスラズリ、マラカイト、トルコ石、サンゴなども弱く、琥珀は化粧品に弱い宝石だという事を覚えておいてください。

✔金・銀・プラチナ・ホワイトゴールド

お化粧品のクリームや油がついたりすると輝きが鈍りますので、日常の水仕事や化粧の時(化粧する最中)などは指輪などは外して行いましょう。

輝きが鈍った場合は、重曹や練り歯磨き粉、銀磨き剤などを使って布やセーム皮でみがけば表面の小さなキズもとれ光沢がでてきます。

ただしメッキ製品の場合は、メッキが剥げてしまいますので注意が必要です。

✔宝石類のお手入れ

目立たない汚れや手あかがつきますので、時々は中性洗剤を水に溶かし、柔らかい使い古しの歯ブラシで洗っていただくと比較的簡単にクリーニングできます。

(*ただし、力をいれてゴシゴシ擦るのはNG)

ジュエリーお手入れ方法の基礎知識と取り扱いをプロから学ぼうのまとめ

最後に,追伸

まとめとしては、意外と店頭にいらしゃるお客様全員に共通することなのですが、値段の高いジュエリーを購入すれば、耐久性も高いと勝手に勘違いしがち。

価値があるジュエリーは、たしかに宝石としてのグレードは高いですが、そうだからと言って耐久性(強さ)までは比例しません。

しかも、購入の際に多くの女性客は、アフターサービスの話や、気を付けていただきたい注意点を聞いてくれません。

購入の差に気分が抑揚して耳に入らないのはわかるのですが、あまりにも皆さん聞いてくれません。

そこであえて今回は、お手入れの方法や保管方法を詳しく記事にしてみました。多くの女性に参考にしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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