お正月は日本人にとって特別なもの、心のよりどころと言ってしまってもいいでしょう。
日ごろ年中行事など無縁な家庭でも、お正月だけは家族そろって初詣に出かけるといった家庭が多いのではないでしょうか。
この記事では、
☑正月にはなぜ実家に帰省するのか?
☑元旦ってどういう意味?
☑お年玉は何のためにあるの?
☑初詣はなぜ前の日の夜から行くの?
☑初日の出の特別感
☑門松はなぜ『松』を使うの?
☑田舎の玄関に飾ってあるしめ飾りの意味は?
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正月のしきたりはどうして日本人には特別なものなの?
日本のしきたりや行事はもともと、神仏に感謝して行われているものがほとんどなのですが、その中でも『正月』は日本人にとって特別なものなのです。
ゴールデンウイークやお盆には帰省しない人でも、お正月には実家に帰省するという人は多いのではないでしょうか。
いまでこそお正月にも仕事をしなくてはいけない業種もありますが一昔前までの日本では、正月にはお店もお休みで正月の3日日(さんかにち)では買い物もできない状態で、食事といえば大晦日から用意されているおせち料理を家族みんなでいただくのが当たり前の風景でした。
話を戻しますが、日本人の多くには『初めと終わりを重要視する感覚』が強いといえます。まさにお正月は1年のはじまりという事で特に重要という意識を持たされるのです。
1年の初めの正月と、終わりの大晦日は生を受けた実家で過ごすという考え方が、知らず知らずのうちに心のよりどころとなってしまっているのかもしれませんね。
元旦の意味
☑お正月の『正』とは年が改まるという意味。
元旦に意味は「1月1日の朝」ということ。旦は一(地平線)の上におひさまが現れた形を表し、朝を意味しています。
「すがすがしい元旦の朝を迎え・・」などとあいさつをしてしまうと、同じ表現の繰り返しになり「元旦の夜」という表現もおかしいので注意しましょう。
また、「1月1日元旦」と書かれた年賀状をたまに見かけますが、これもおかしな表現です。

お年玉(昔はお金ではなかった・・)
現在では子供が大人から貰うおこずかいのような感じになっていますが、昔はお年玉には神様の魂が込められていました。
これには鏡餅のの形が関係します。鏡餅が丸いのは銅鏡(青銅でできた丸い鏡)に似せてあるから神様の魂を象徴しているからと言われています。昔の人は色々なものを写す鏡に神秘的な力を感じ、そこには神様が宿ると考えていました。
いまでも神社ではご神体として丸い鏡を祀っているところもあります。
お餅には稲の霊が宿っており、お餅を食べると考えられていました。よく力餅というネーミングのお餅をスーパーで見かけますが、ここからきているのでしょうか?。
この2つを合わせると、鏡餅は神様の魂が宿る特別なものとなります。また、鏡餅は「福と徳」が重なるようにという願いを込めて、2つ重なっているのです。
鏡餅(かがみもち)を年神様にお供えした後、魂が宿った餅をいただきました。この年神様の魂を「お年魂」と呼び、それが「お年玉」になりました。
当時のお年玉(鏡餅)はまず家長に与えられ、それを子供に分け与えていました。家族全員で年神様の魂を分かち合い、新たな年を安全に幸せに過ごせるようにお祈りしていたのです。
お年玉がお餅からお金になったのは江戸時代の頃で、商家の主人が奉公人に餅の代わりに金銭を与えたのが始まりと考えられています。
これを読んだあなたは、今年のお年玉を上げるときにはお子さんにこのお話をしてあげると良いと思いますよ。お年玉にさらにありがたみが加わります。
初詣【なぜ大晦日の夜から行くのか?】
いまや子供から大人まで神様に向かってお祈りを捧げる場は、初詣だけになってしまったのかもしれません。
昔は1日の終わりは日没と考えられていました、1年の終わりは大晦日の日没で、新しい年は大晦日の夜から始まるという考え方です。
お正月の行事も大晦日の夜から始まります。一家の家長が大晦日の夜から元旦にかけ、村の氏神様(その土地の守護神社)が祀られている社殿に正装をしてこもり、先祖の霊や年神様を迎えたのです。これを「年籠り」といいます。
今では1日の区切りは夜中の零時です。そのため大晦日にお寺で行われる除夜の鐘は深夜零時に奏でられます。
また江戸時代には「恵方参り」をおこなっていました。
恵方参りとは恵方(吉の方角)とされる神社や仏閣に詣でる(もうでる)ことで、その年の干支で方角が決められていました。
この恵方参りと年籠りの風習が重なって、現在の初詣になったのではないかと言われています。いまは恵方に関係なく近所の神社や有名な神社に参詣する人がほとんどでしょうが、大切なのは気持ちです。
初日の出の特別感
高い山で見る荘厳な日の出を「ご来光」といいます。1月1日の日のでは「ご来迎」と呼ぶほうがふさわしいかもしれません。
ご来迎は阿弥陀仏や菩薩が亡くなった人を浄土に迎えるために光と共に現れることを指し、ご来光の語源でもあります。
先に神様について触れましたが、かつては初日の出と共に年神様が現れると信じられていました。このころは家族と一緒に家で神様を迎え拝んでいたのです。
初日の出とは関係ありませんが、古来より太陽は人類にとって特別な存在だったからに違いありません。
悪いことをしたときに戒める言葉で、「悪いことをするとお天道様が見ているよ!」という言葉を母親に言われたことを思い出します。
門松【なぜ松を使うの?】
門松は年神様を家に迎えるときの目印であります。年神様が宿る「依代(よりしろ)」でもありました。(*)依代とは、神霊が現れるときに宿るもの。
門松の歴史は古く、もともとは松に限らず榊(さかき)や樫(かし)、などの常緑樹も用いられていました。平安時代ごろに「神様をお待ちしております」という意味から松(待つ)が使われるようになり鎌倉時代には竹を加えるようになりました。
松のイメージは、1年中枯れることが無く青々と茂るイメージです、昔の人はそんな松に生命力を見出したのかもしれません。
門松を片付ける時に帰っていくと言われています。この年神様の滞在される期間を「松の内」と呼び1月7日までとなっています。

門松は、12月20日から28日までの間か、30日に門に飾ります。29日に飾るのは「二十苦」「と苦に通じ、31日に飾るのは「一夜松」「一夜飾り」と言って神をおろそかにすることから、避けた方が良いとされています。
しめ飾りの目的とは・・。
〇橙には代々家が続くという意味が込められています。
〇裏白は長寿の願い、家族の繁栄
〇ゆずり葉は別名親子草、家督を親から子にゆずり代々続くよう願う。
破魔矢(はまや)
正月のしきたりはどうして日本人には特別なものなの?のまとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事では、お正月のしきたりについてお話させていただきました。
☑正月にはなぜ実家に帰省するのか?
☑元旦ってどういう意味?
☑お年玉は何のためにあるの?
☑初詣はなぜ前の日の夜から行くの?
☑初日の出の特別感
☑門松はなぜ『松』を使うの?
☑田舎の玄関に飾ってあるしめ飾りの意味は?
というテーマに沿ってご紹介しました。
お正月にはそれぞれに深い意味があり、神様に向けた感謝の気持ちや、来年以降の平安の願いといった感情が絡み合う行事なのですね。
『一年の計は元旦にあり』日本人の心の中には、この言葉がずっと住み続けていくことでしょう・・。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
お正月は日本人にとって特別なもの、心のよりどころと言ってしまってもいいでしょう。日ごろ年中行事など無縁な家庭でも、お正月だけは家族そろって初詣に出かけるといった家庭が多いのではないでしょうか。この記事では、&#x[…]