前回の記事では9月のしきたりとして、二百十日や、重陽の節句、おくんちについて紹介させてもらいましたが、どれも住んでいる場所によってはピント来るものが無かったかもしれません。
どちらかというと、あまり知れれていない風習の類だったかも知れませんね・・・。
9月になると暑さもやわらぐ頃なのですが、ここ近年の異常気象が原因なのか、凉くなってくれませんよね。国公立の小中学校なども、この時期のあまりの気温の高さに危機感を覚えながら、運動会の開催時期をずらしたり時間短縮を行ったりと、子供たちの[…]
同じ9月のしきたりでも今回のテーマは、あなたにも馴染みの深いしきたり風習になりますので、本来の意味や理屈を改めて理解していただければ良いなあと思いご紹介させていただきます。
9月の行事・しきたり・風習【秋のお彼岸・お墓参り】~日本のすてきなしきたり~
【秋のお彼岸】
9月23日ごろの秋分を中日として、前後3日ずつを含めた7日間を彼岸と言います。
初日を「彼岸の入り」秋分の日を「中日」終日を「彼岸の明け」と呼び、春のお彼岸と同じように、おはぎや故人の好物を仏壇にお供えしお墓参りに家族で出かけるのです。
秋のお彼岸にすること『お墓参り』
家族そろってお墓参りをする。墓石を洗い清めお墓のまわりも掃除してお花や線香を手向けお菓子などを供える。
火をつけた線香の煙は、帰るときには完全に消して帰ったほうがよいでしょう。当たり前ですが、ごみはきれいに持ち帰りましょうね。
秋のお彼岸にすること『仏壇の掃除』
彼岸の入りにはご家庭に仏壇がある場合は、仏壇もいつもより丁寧に清める。
掃除が終わったら、花や果物、故人の好物や彼岸団子やおはぎなどを供え線香をあげる。
秋のお彼岸にすること『お経をあげてもらう』
これはよほど信心深いお宅か、地方の田舎のほうでないとピントこないかもしれませんが、故人にとって初めてのお彼岸の供養は特に手厚く行うものとされてきました。
私の実家ではお盆の初盆も似たような意味がありますね。できればお彼岸にもお坊さんをお招きし読経してもらうとよいでしょう。
彼岸の法要《ひがんえのほうよう》
迷いの世界を「此岸」というのに対して、悟りの世界を「彼岸」といいます。
彼岸には修行することで迷いの世界(此岸)から悟りの世界(彼岸)へ到るという意味があり、本来は仏道修行の期間です。
彼岸中、お寺では彼岸会の法要が開かれ、読経や法話を行うのです。
彼岸の豆知識《ヒガンバナ》
ヒガンバナは秋のお彼岸のころに開花することから、その名前が付いたといわれています。
別名、曼殊沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれ開花期に葉はなく、葉があるときには花が咲かない不思議な花です。
また、この花は【キツネバナ】【ユウレイバナ】などと呼ばれることもありましたが、のちにその美しさが認められて、園芸の対象としても人気が出始めています。
埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)では、秋のお彼岸の頃になると、ヒガンバナが一面に咲き乱れる名所として知られています。
9月の行事・しきたり・風習【秋のお彼岸・お墓参り】~日本のすてきなしきたり~のまとめ
今回ご紹介した日本のしきたりについては、比較的に認知度が高い【秋のお彼岸】についてお話させていただきました。
本質的な意味はわからずとも、昔の人がどういう気持ちで、お彼岸に向かい合っていたのかを少しでも知っていただけたら幸いです。
お墓参りの時の意識が変わり、さらにアナタのご先祖様との絆も深まることでしょう。